風邪とエリートと死の制裁について。

最近寒さが厳しくなってきたせいか
周りで風邪を引き始めている人が目につく。
おれは「何とやらは風邪を引かない」の
見本のような人間であるためか
あまり風邪は引かない。

喜んでいいのか嘆くべきなのかはわからないが
ともかく風邪は引かない人だ。

それでもたまに風邪を引いてしまうことがあるが
その時は暖かくしておとなしく寝てしまうことにしている。
もちろん薬は飲まない。
周りからは「飲め!」といわれるが飲まない。

体の免疫機構にお任せすることにしている。


ところで体の免疫機構はどうなっているかというと
白血球やリンパ球が病原体と戦ってくれている。
白血球はひたすら原始的に病原体を食べるだけなのに対して
リンパ球は病原体に対する抗体を作ってぶち殺し
その病原体を記憶して次の侵入に備える。
とってもいい奴等だ。

リンパ球には大きく分けてT細胞とB細胞がある。
その中でもいわばエリートなのがT細胞である。

リンパ球は骨髄の中で産生されるが
Tリンパ球になるやつはそのあと胸腺に行く。
そしてここでエリート教育を受ける。

胸腺でのエリート教育はむっちゃ厳しい。
ちゃんとしたリンパ球として働くためには
まず味方と敵の区別がつかないとだめだ。
味方には攻撃せず、敵だけに致命的な攻撃をしなければならない。
そのための教育を胸腺で受けるのだ。

まず、敵とか味方がわからんやつは落第。
で、味方に攻撃しそうなやつも落第。

人間の世界では、落第しても
また次に頑張ればいいのだが、胸腺は厳しい。
落第者には何と、死の制裁が待っているのだ。
しかもアポトーシスである。(アポトーシス:細胞の自殺)
そんな厳しい教育を受けて晴れて合格の烙印を押されて
Tリンパ球に成熟できるのは何と2%。
このエリートたちが、おれたちの免疫を担ってくれているのである。

と、言うわけで
おれは安心してこいつらに体を任せることにしている。
発熱しているのは彼らが戦ってくれている証拠だ。



ちなみに、AIDS(後天性免疫不全症候群)という病気は
こいつらが働かなくなった病気である。



脳実習日記。初日。(本人用です。物好きな人はどうぞ)

今日はおれを含めて延べ6人が参加。結構来るなあ。来た人は学年の中でもトップクラスの人が多く、大変勉強になった。こういった優秀な奴等と一緒に勉強するとすごい刺激になる。いろんな議論をしたが楽しかった。それにいろんな知識も整理できた。新しい脳は使わせてもらえないと言う話だったが、なぜか一つ用意されてた。が、まだ解剖していない。それは明日以降。

今日勉強したこと。視覚・嗅覚・聴覚伝導路の再確認。秋の実習ではやらなかった視床および大脳基底核付近の剖出。これは勉強になった。冬の解剖実習室は寒かった。暖房無し。しかも地下。久しぶりのホルマリン臭は刺激が強く、鼻と目が痛かった。あー疲れた。今日はよく眠れそう。ぐぅ。